俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
ベンチに座りぼんやりと頭上から降り注ぐ雨を見上げる。昨日からしとしとと降り注ぐ雨は、まるで私の心のうちを現しているかのように冷たい。

希望を失い、これからどんな風に生きていけばいいんだろう。

不安と絶望に押しつぶされそうだった。

誰か、助けて……。

心が悲鳴をあげた瞬間、それは訪れた。

『こんなところでなにやってんだよ? 風邪引くぞ?』

聞き覚えのある声が頭上から響き、反射的に見上げた。

『……な、んでここにいるんですか?』

大きく目を見開く私の瞳に映るのは、いつもカフェに来る彼だった。

『身体、冷えないようにひとまずこれ着ろ』

戸惑う私に自身が来ていた黒いパーカーを羽織らせてくれてそして、傘を差し出してきたのだ。

『あの、大丈夫です!』

『寒さで震えてるおまえに言われたくないね』

彼はそう言って私の手を取って歩き出した。
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