あのね、大好きだったよ

君が好き

貴方は、私にとって大切な存在。
「龍矢くん。」
「ん?どうした?」
安心させてくれて、私の話を聞いてくれて、貴方が隣にいてくれるだけで幸せ。
「今日、一緒に帰りたいなぁ。」
「いいよ。」
この人の手は温かくて、この人の匂いは安心する。
いつもの駅で、手を繋いで歩いていた。
そして、沢山のお店がある駅の中に、ジュエリーショップがあった。
綺麗な指輪が並んでいた。
「うわぁ、綺麗。こういうの欲しい。」
何気なく出た言葉に貴方はこう言った。
「由花、俺がこの指輪買えるようになるまで待っててね。」
その言葉は、人生で初めてされたプロポーズみたいなものだった。
ニコッと微笑む貴方をみて私は「うん。」と、笑顔で答えた。
高校一年生の、まだ子供の恋愛。
私は貴方が隣にいてくれるなら、お金なんかいらないし、高級なレストランなんて行かなくていい。
そう思っていた。
でも貴方は、お母さんやお父さんから愛情を沢山貰わなかったせいなのか、お金で私を繋ぎ止めようとしていた。
彼の父は、会社の副社長で、お金を持っていた。
きっと私がそれを知ってて付き合ったと思ってたんだろう。
でも私は彼が好きだったから付き合った。
「私は、高いネックレスも、高いレストランもいらないし行きたくない。お金と付き合ったんじゃなくて、貴方が好きだから付き合ったの。」

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