星芒





ブー ブー






ブー ブー







“蒼空”








バサッ








「っ……」









あさ、だ。



アラームを止めゆっくりと起き上がる。



「頭いた…」



ズキズキと痛む後頭部を押さえながら床に足を下ろす。



もう11月。



ひんやりと冷たいフローリングにビールの空き缶が



いち







さん











ろく



6本転がっている。



あぁ、そういえば昨日は飲んだんだったか。



机の上にはつまみが2種類ほど。



それにパソコン。雑に置かれた紙の資料。



覚醒仕切ってない頭で洗面所へ行く。



今は7時半。



とりあえず顔洗って




着替えて




部屋片付けて




朝飯は、どっかコンビニで買って




そして病院、か




バシャッ




「…行きたくねー」




ぽたぽたと滴る水滴を雑に拭って洗面所を出る。



リビングに戻ると先程は気にならなかった酒の匂いが鼻を掠めた。



床に転がった空き缶を避けながら窓を大きく開ける。



11月の冷たい風が一気に入り込んできて、カーテンがバサバサと激しく波打つ。



それと同時に机の上に置いてあった資料の数々がこれまたバサバサと音を立てながら部屋の後方へ飛んでいった。



「勘弁してくれよ、」



窓を閉め飛んでいった資料を拾う。


<アルツハイマー型認知症の治療法とその後>


<若年性認知症 症状と原因、その治療法>


<若年性認知症の患者とその家族>


嫌でも目に入るその言葉。





















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