俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「私も、亮太さんに同感です。
果穂さんはこの土地で暮らしてこそ、彼女らしさが生きるのだと思っています。

実は、うちの会社は今3分の1ほどの社員がリモートワークで仕事をしています。
私自身も本社にいなくても会社は回る様に、今推し進めている所でして先々にはこちらにも店舗を構える予定です。

私がいずれこちらに来る事が自然なのではと思っています。」
これには、父も兄も果穂さえもびっくりする。

「それは…大丈夫なんですか?」
果穂も思わず声をあげてしまう。

「まだ、雅也には話してはいないけど彼なら理解してくれると思ってる。ヘリを買う事も承諾してくれたから。」
翔がそう言って笑う。

「はぁ?ヘリ買おうとしてるの⁉︎
社長してると一般人とは思考が違うんだな…何考えてるの?」
父と果穂は揃って亮太を睨む。

「亮太仮にも翔君はお前より年上だぞ…言葉使いってものがあるだろ。
そのくらい、果穂の事を考えてくれてるんだよ。」

「いえ、私が果穂さんに会いたいので自分の為です。ヘリだと片道35分で来れるんです。」
 
「お兄ちゃんが認めてくれなくても、私は翔さんと一緒に居たいから…。」
果穂がそう呟く声が、嬉しくてつい笑顔になって果穂を見る。

「出来れば、これを機にお兄さんにも私の事を理解して頂ければと思いますが…
1発ぐらい殴ってくれても構いませんよ。」
そう言って笑う。

俺を睨む兄の目線を遮る様に、果穂は手を振り庇ってくれる。
「えっ⁉︎
お兄ちゃん、ダメだよ。絶対ダメ。」

「殴る訳ないだろ…みんなして俺を何だと思ってるんだ?
好きにすればいい…。
ただ、今後、果穂が少しでも泣く様な事があれば絶対殴りに行くからな。」

「肝に銘じます。」

「何でそんないい方しか出来ないかなぁ。
ごめんなさい。翔さん、兄の事は本当気にしなくていいので…」
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