俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「今日は、果穂はお客様だから座っててくれていい。」
そう言って、紅茶をティーパックでは無く、葉っぱから蒸らして入れてくれる。

「インドのチャイの入れ方なんだけど、結構美味しいから飲んでみて。」

「わぁ、いい香りですね。」

キッチンも対面式になっていて、向かいにはカウンター。
とても使い勝手が良い。

「キッチンも広くて素敵です。
本当に明日からこのキッチン使っていいんですか?」

「好きに使ってくれていいよ。でも冷蔵庫に何も無いな。明日の朝、軽く買い物しとくよ。コンシェルジュに頼んでもいいし、近くに24時間のスーパーがある。」

「そんな事もやってくれるですか?
至れり尽くせりですね。」

そんな話をしているうちに、チャイは出来上がっていて二人でソファに座りながらお茶を飲む。

「甘くて美味しいです。ホッとする。」

「良かった。」
そう言う翔さんは冷蔵庫からミネラルウォーターを飲んでいる。
私の為だけに作ってくれたんだと嬉しく思う。

「風呂も入れる様にしてあるから、それ飲んだら先に入っておいで。」

「翔さんだって疲れてる筈です。明日もお仕事なんだし先に入って下さい。」

「今日は、果穂が客なんだから先に入って。俺は少し仕事を片付けるから。」

そう言ってゲストルームはここ、お風呂はここと教えてくれる。モデルルームみたいに整った部屋はどこもかしこも綺麗に整頓されている。

聞けば週に1度、昔からのお手伝いさんが綺麗に掃除していってくれるらしい。
「果穂が来る事伝えてあるから今週は来ないけどね。」

「私、その方に会ってみたいです。」

「そうなのか?
じゃあ、果穂が1人で寂しくないように近所の案内をお願いしてみる。」

と連絡を入れてくれた。
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