俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
(果穂side)

父と兄が慌ただしく帰ってから窮屈な着物を脱いで一息付く。

立食パーティーに美味しそうなスイーツもあったのに、着物のせいで全然食べられなかったな。
着物を畳んで一式袋に入れて配送手続きをする。
身軽になってやっと翔さんに電話が出来る。

お仕事中だったら申し訳ないなと思いながら電話をした。

翔さんは意外にも、後15分くらいで行くと言うので、ホテルのロビーで大人しく待つ事にする。

ガラス張りの窓の側に1人掛けのソファを見つけ、そこに座って手のひらサイズのスケッチブックをバックから取り出す。

私の小さな趣味は、今日見つけたスイーツを描く事。
パーティー会場にあったスイーツを思い出しながら描く。
カクテル用のグラスに入っていたミニパフェ、美味しそうだったなぁ。
お兄ちゃんはパクパク食べてたけど…。

後は、ひと口サイズのカヌレ…持って帰りたかったなぁ。
一つ一つ思い出しながら描いていく。
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