俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「翔さん、すいませんでした。兄の態度が悪くて。」
申し訳ない思いで頭を下げる。
翔さんはそんな私の頭をポンポンして、

「気にしなくていい。お兄さんの気持ちを考えると、しばらくは怒りも苛立ちも全部受け止めるから心配しないで。
それより、お父さん良い人だな。
普通は父親が1番強敵だと思うのに、仏の様な人で良かった。」

「父は男手1人で私達3人を育ててくれたんです。心の大きな人なので。
いつも優しくて、その代わり兄があんな感じなので…。
翔さん、時間無くなっちゃう。早く、水族館行きましょ。」
気付けば兄と電話をしてから、20分も経っていた。
翔さんと一緒にいられる時間がどんどん減ってしまう。

「そうだな、急ごう。」
手を取り合って水族館に急ぐ。

入口は思った以上に混んでいたが、また翔さんの魔法のコネの力で、VP対応されて裏から入れてもらう。
「どれだけ、魔法のコネを持ってるんですか?」
果穂は信じられない眼差しで、翔を見る。

「ここはコネじゃない。
スポンサーになってたんだよ。中にうちのcafeも入ってるし、近所のよしみで少しだけ、出資金を出してるんだ。」

「どこまで凄いんですか…。」
規模が違い過ぎて頭がクラクラしてくる。
こんな凄い人と付き合うなんて言っちゃって、本当に良かったんだろうか?
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