今日もキミの隣で恋をする
「音寧ーっ! 起きたのー? 朝ご飯できてるわよー!」
階段の下のほうから声がして、わたしは焦り出す。
「やっば、ママだ。早く下へ行かなきゃ怒られる」
わたしはママに怒られたくなくて、パジャマ姿のまま拓斗と一緒に急いで2階から1階へと階段をおりる。
「おはよう、ママ」
わたしが1階のダイニングへ行くと、テーブルの上には朝食が並んでいた。
「おはよう、音寧。拓斗くん、いつも起こしてもらってごめんね? 音寧、私が起こしてもなかなか起きないから」
ママがわたしを軽く睨む。
「それが不思議なことに、拓斗くんだと起きるから。やっぱり愛の力かしらね? ふふ」
ぱちっとウインクするママ。
「ちょっと、ママ〜」
「良いじゃない。本当のことでしょう?」
家が隣同士で幼なじみのわたしと拓斗は、お互いの親公認のカップルでもある。
最近は毎朝拓斗が、寝起きの悪いわたしを家まで起こしに来てくれている。
「ねぇ、拓斗くん。私としては、いつも娘を起こしてもらって大助かりだけど。毎朝大変じゃない?」
「いえ、全然大変じゃないです。むしろ嬉しいっていうか。俺が、朝一番に音寧に会いたくて来てるんで」