Better late than never〜失った恋だけど、もう一度あなたに恋してもいいですか?〜
プロローグ
芹香が目を覚ますとそこは見たこともない古びた物置き小屋のような場所で、二つほど取り付けられたガラス窓が風によりガタガタと音を立てていた。
カビ臭さが鼻をつき慌てて起きあがろうとしたが、手足をロープで結ばれていたため身動きがとれない。口にも布を挟まれていたため大声を出すことも叶わなかった。
今は何時なのだろう……窓の外がオレンジ色に染まるのが見えたが、それが朝なのか夕方なのかはっきりとはわからなかった。
それからゆっくりと考えを巡らせていく。
高校の卒業式の後、友達と最後のお喋りを楽しんでから自宅に向かって歩いていたら、突然見知らぬ男に進路を塞がれたのだ。
そして私は抵抗する間も無く、背後にいた人物に口を塞がれて意識を失った。
私は誘拐されたのだろうか……。これが拉致監禁というやつならば、犯人が戻ってくるかもしれない。そう考えた瞬間、体中が恐怖に震えた。
今は眠っていたから殺さなかっただけで、もし犯人を見たら私の命はないかもしれない。それとも両親の元に身代金の要求がいっているのだろうか。お金が手に入れば殺されるかもしれない。
周りを見回してカバンを探したが、芹香の持ち物らしきものは何も見当たらない。きっと車に乗せられる時に落としたんだ……。スマホはカバンの中だし、連絡をする手段も、探してもらう術も持ち合わせていない。
どうしよう……このまま誰にも見つけてもらえないかもしれない。お父さんとお母さんとお兄ちゃんにも二度と会えないんじゃないか……そう思うと自然と涙が溢れてきた。
その時だった。窓の外から人の声が聞こえた気がしたのだ。
犯人かもしれない……芹香の体は硬直し、息が出来なくなる。
カビ臭さが鼻をつき慌てて起きあがろうとしたが、手足をロープで結ばれていたため身動きがとれない。口にも布を挟まれていたため大声を出すことも叶わなかった。
今は何時なのだろう……窓の外がオレンジ色に染まるのが見えたが、それが朝なのか夕方なのかはっきりとはわからなかった。
それからゆっくりと考えを巡らせていく。
高校の卒業式の後、友達と最後のお喋りを楽しんでから自宅に向かって歩いていたら、突然見知らぬ男に進路を塞がれたのだ。
そして私は抵抗する間も無く、背後にいた人物に口を塞がれて意識を失った。
私は誘拐されたのだろうか……。これが拉致監禁というやつならば、犯人が戻ってくるかもしれない。そう考えた瞬間、体中が恐怖に震えた。
今は眠っていたから殺さなかっただけで、もし犯人を見たら私の命はないかもしれない。それとも両親の元に身代金の要求がいっているのだろうか。お金が手に入れば殺されるかもしれない。
周りを見回してカバンを探したが、芹香の持ち物らしきものは何も見当たらない。きっと車に乗せられる時に落としたんだ……。スマホはカバンの中だし、連絡をする手段も、探してもらう術も持ち合わせていない。
どうしよう……このまま誰にも見つけてもらえないかもしれない。お父さんとお母さんとお兄ちゃんにも二度と会えないんじゃないか……そう思うと自然と涙が溢れてきた。
その時だった。窓の外から人の声が聞こえた気がしたのだ。
犯人かもしれない……芹香の体は硬直し、息が出来なくなる。
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