僕の特技は秘密です
つーちゃんは神社に住んでいて、お父さんはこの神社の宮司をしていると言っていた。

社務所に『つーちゃんは居ますか?』と遊びに誘いに行くと社務所の巫女さん達が困った顔しながら『いつもごめんね、今は遊べないのよ。』と返してきた。

しかし、そのまま1人で境内で遊んでいるといつの間にかつーちゃんがやって来くるのだ。
僕はいつもタイミングが悪いようだった。

そして、天真爛漫な性格のせいか、気がつくとつーちゃんは1人で家に帰ってしまっており、一人ぼっちが寂しくなった僕も家に帰るのがパターンだった。

家に帰ると言っても、自分の家ではなく祖父母の家だった。

当時、僕の両親は仲が悪く、よく喧嘩をしていた。子どもだった僕に喧嘩の原因は分からないが、頻繁に父と母が言い合いをしていたのを覚えている。

大きな喧嘩をする度に、母は僕を連れて母の実家である祖父母の家へ行った。
つーちゃんの住む神社へ行ったのも、最初は父と母が早く仲直り出来る様に神様へお願いをしに行ったのが始まりだった。
< 4 / 102 >

この作品をシェア

pagetop