僕の特技は秘密です
やはり、歌が示している橋はこの石橋で間違いないようだった。

となると次は『転げてすやすや夢の中』とは…

「橋を転がすのかしら??」
つーちゃんが力を入れて橋を押してみる。

女子高生の力で動いてしまう橋だったら耐久性として問題だろう…。台風が来ただけでもずれて橋が壊れて強いそうだ。

「僕が押してみるよ。」

つーちゃんと変わって押してみるがビクともしない。それをみて橘も加わり押してみたが変わらなかった。

やはり数人の人の力だけでは動かないようにできていた。まぁ、当然だろう。

「次のフレーズの『龍の目ん玉 火であぶれ』の龍については何かない??一条、お前は今こそ読み取りの力を発揮すべきだろう
っ??」
「ネズミの彫刻も埋もれていたし…。どこかに龍もあるのかしら??そうよ!旺介くん!読み取りの力!!!」
「いや、、、イメージがありそうな気配はここにはないんだよ。ごめん。」

生まれて初めてこの迷惑の力が役に立つかもしれないという時に…。
何やってんだ? 僕…。

それから2時間ほど探したが『転げてすやすや夢の中』にあたる物も、『龍』にまつわる何かも見つけることはできなかった…。

「どうですか?何かわかりましたか??」

つーちゃんのお父さんが声をかけてきたので、
「それが…。一番初めのネズミの部分はそれっぽいのが境内の石橋にあったのですが…。他はさっぱり見つからないもので…。」
と、僕は答えた。

「そうですか。まぁ、長年この神社に住んでいる我々がわからないのだから、もし、どこかに悪霊が封印されているとしても、簡単にはわからないところにあるんでしょうね~。さっ、お昼にしませんか??」

つーちゃんのお父さんはそういうと僕と橘を自宅のリビングへ案内し、出前を取ったからと言ってそばをごちそうしてくれた。

「いやぁ、何もない村ですので、そばくらいしか出前できなくて悪いね~。若い子たちはピザとかの方が良かったよなぁ。」
と言っていたが、普段食べている学食の蕎麦は冷凍だし、ピザよりも田舎の蕎麦ほうが絶対にうまいと思った。
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