僕の特技は秘密です
石段を下り、先程の6畳程の部屋につくと、今度はじっくり壁画をみる。

壁一面に描かれた絵はところどころ剥げてしまっているが、金箔で覆われていた。
こんな立派な絵が神社の地下に眠っていたことを誰も知らなかったことに逆に驚く。

この山切村の四季が描かれているのか、向かって左から桜の木で始まり最も右側は雪景色になっていた。

つーちゃんのお父さんたちが開けてしまた引き出しの場所を記していた蝶は春に描かれていた。
春は始まりを意味する。であれば終わり、つまり封印を意味するならば歌の歌詞にある『鳥』は冬にあるのか?

「旺介くん、鳥の絵…。無くない??」

「僕も…、思った。」

今まではちゃんと歌詞の通りに辿れば確実に求めるものがあった。
歌詞の意味を間違えていたがちゃんと『鬼を見張る、かはひらこ』の通り、蝶が描かれた場所に悪霊が封印されいた壺が隠されていた。

…なぜだ?なぜ壁画に鳥が見つからない??

今までの謎解きで使われていない歌詞は『影の(ちょう)は宝を指して』。

そうか、ただの鳥ではなく、『影の(ちょう)』…。

持ってきた懐中電灯で壁画以外を照らし、他になにかないか探す。

あった!!!
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