ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする

出会い

「 プルルルルルー」

けたたましく、最終電車のベルが鳴り響く。

若葉は階段を駆け下り、ホームに着くと、既に電車から多くの人が降りてきていた。

今日で三日連続、終電である。

若葉は疲れを押さえ込み、全速力で走る。
昨日も間に合ったので、

『何とか今日もギリギリ乗れそう。』

と、つい油断したのがいけなかった。

「ドン!」

後ろから勢いよく走ってきた男性が若葉の肩にぶつかった。その弾みで、私が肩にかけていたバッグが滑り落ち
前方に落下、ゴンっと嫌な音を鳴らした。

それと同時に若葉自身も派手に転んでしまった。

その男性は、若葉には見向きもせずに、最終電車に乗り込んだ。

そして、そのまま電車のドアは閉まり、若葉を置いて無情にも走り去った。

「あっ!パソコン!」

若葉はすぐに起き上がろうとするが思っていた以上に足が痛く、四つん這い状態でパソコンを掴むと、すぐに開いた。
いつもなら、開いた瞬間電源が入るのに、入らない。

パソコンを持ち上げ裏返す。

裏面には、大きな亀裂が入っていた。

「嘘でしょ…。」

若葉は大きく項垂れた。

そこに駅員ではない男性が私に恐る恐る声を掛けてきた。

「大丈夫ですか?」

ああ、同情されている。終電を逃した上に派手にすっころんだ女に…。
出来れば誰も声を掛けないでほしい。なんなら、見ないで素通りしてほしい。
惨め過ぎる。駅員に声を掛けられた方が100倍ましだ。

若葉は、

「大丈夫です。」

と、気丈に答えたが、その男性は、

「大丈夫じゃなさそうですよ。膝から血が…。」

と、行った。

見ると膝を大きく擦り剥いており、パンストに血がベッタリとくっ付いていた。

あ、これ、脱ぐ時に痛くなるやつだ…。
と思いながらも、

「これくらい平気なんで。どうぞお構いなく。」

と自分で言ったそばから、情けなさと恥ずかしさで涙が溢れそうになった。

男性は、それを知ってか知らずか、しゃがみ込んで、若葉のバッグと、バッグから飛び散ったハンカチや手帳を拾い
出した。
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