ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする

家に着いた若葉は、玄関のドアをバタンと閉めるなり、
バタバタと部屋の掃除を始めた。
普段からほぼ会社と家の往復で、部屋には眠りに帰ってきている
ようなものなので、ほとんど片づけるようなところはなかったが、短時間で
一通りの掃除が終わった。そして最後に東堂からプレゼントされたイルカのぬいぐるみを
ベッドに置いた。

若葉はそのイルカをまじまじと見つめてから、思いっきり抱きついた。

「く~!!夢じゃなかったんだ。私本当に東堂さんと・・・。キャー!!」

嬉しさのあまり、自分で何を言っているのか分からなくなっていた。

「よし、一旦落ち着こう。」

若葉は我に返り自分にそう言い聞かせると、キッチンに行き、インスタントのコーヒーに
砂糖とミルクをたっぷり入れ、カフェオレを作ると、一口飲み、ふう~っと
一息ついた。若葉はマグカップを両手でしっかりと握りしめながら、

「仕事の時、どんな顔して会えばいいんだろう・・・。その前に明日
のデート、何着て行くか決めなくちゃ!」

と呟いた。
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