ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする

お見合いの報告

夜、22:00を過ぎた頃、母と和葉が旅館の仕事を終え、
その足で若葉の部屋にやってきた。
若葉の部屋は、高校当時のままで、和室にベッドと勉強机、小さな本棚と部屋の中央に
正方形の冬は炬燵になる、和テーブルが置かれていた。
3人は、そのテーブルにコの字型になるように座った。

和葉は、座ると同時に口を開き、

「若葉、今日のお見合いの話、教えてちょうだい。」

と、はやる気持ちを抑えられないようだった。

「じゃあ、まず順番に話すわね。」

と言って、若葉は、まず、事前に経営コンサルタントの友人に相談していたこと、そして
このお見合いには何か裏があることが分かったこと、その何かを調べようと思っていること
を一通り話してから、お見合いの席で起きたことを話した。

いきなり有野社長の生活兼仕事部屋に通されそうになったこと、
それを拒否したら、中華レストランに案内されたこと、
そして、お見合いを断ったが、気が変わるはずと決めつけ、
来週同じ時間に来るようにと言われたことなどすべて話した。

「まあ、でも、一応ちゃんと断ったんだし、もういいんじゃない?」

と、和葉が言うと、母も、

「・・・そうね。」

と言って、二人とも席を立とうとした。
すると、若葉が、

「まだ、話は終わってないの。」

と言って、テーブルの上に、小型のボイスレコーダーを置いた。

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