愛しい君へ
真実
「ただいま」
と静かに玄関からリビングへ向かう。

父さんだけがテレビを観て寛いでいた

「アレ?随分と早かったな直史。」

「ただいま父さん。母さんは将史を寝かしつけてるの?」

「うん。今日の絵本はマー君の大好きなクルマの話みたいだぞ。」

「そうなの…」

「どうした?顔色が悪いぞ」

「ああ。同級生から薫の話しを聞いてさ…」

「薫さんの話し?」

「ああ。薫はこの春に亡くなってたんだ」

「え!何だって…どうして!交通事故か?病気か?」

「病気…でガンだったって…」と話したところでまた俺の目から涙が溢れ出してきた。

父さんがボックスティッシュを差し出した。

「ガンだったからなのか…」っとつぶやいた。
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