愛しい君へ
そこへ母さんが将史を寝かしつけてリビングへやって来た。
「アラ?直史は随分と早かったね。
……え、お前泣いてどうしたの?」

「母さん、直史が友達から薫さんの話しを聞いたらしいんだが……薫さんは今年の春にガンで亡くなったそうなんだわ」

「え、う…そ。 そんな〜何で…あんないい子が死ななきゃならないのよ…」と母さんは号泣し、父さんが背中をさすってやっていた。

俺もティッシュで鼻をかみ、ふ〜ふ〜と何度か深呼吸して自分を落ち着かせた。
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