恋の♡魔法のチョコレート
「小鳩何にするー?私はチョコバナナ…ブラウニーかな!やっぱブラウニーも乗せちゃお!」

結局駅前デパートの地下のクレープ屋さんに来た。
まぁまぁここも人気だし、おいしいし、狭いけどイートインスペースだってあるしね。

今日は奮発してブラウニーも乗せちゃうんだ。

「小鳩は?」

ふっと隣を見たら、めちゃくちゃ険しい顔をしてお店の前に張り出されているメニューを穴が開くんじゃないかってぐらいガン見してた。

腕を組んで、グーにした右手を顎に下に置きながら…そんな難しい顔して見るものじゃないんだけど。

「…小鳩?悩み過ぎじゃない?」

「柳澤さんもう決まったんですか?即決タイプなんですね」

いや、どちらかというと小鳩の方がそっちのタイプかなって思うけど…
一生懸命クレープと向き合ってる小鳩はなんだか新鮮で、頬が緩んだ。

「小鳩っていつもどこで遊んでるの?」

「遊ぶ?」

「うん、学校帰りどっか寄ったりさ…」

って、言いかけてハッとした。

“ゆいぴーはさぁ、いっつも1人なんだよね”

今のは地雷…だったかもしれない。

あ、また眉毛吊り上がっちゃう!

「初めてです」

「え?」

「学校の帰りに誰かとどこかへ行くなんて発想なかったので、柳澤さんとした寄り道が初めてです」

表情はいつもと変わんなくて、ただ淡々と話しただけで、それだけだったんだけど。

こーゆう時どんな顔すればいいのかな、さっきよりもどうしても顔が緩んじゃって。

「…そう、なんだ」

「はい」

いっぱい緩んじゃう。

やばい、頬が上がっちゃう。

ぎゅっと両手で頬を押さえた。

「ホットチョコにします」

「え、1番普通のやつじゃん!」

「最初は定番からいくのがいいですよね」

「それ定番じゃないと思うよ!?」
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