恋の♡魔法のチョコレート

Magic5.恋する乙女の恋心

やっと念願の、夢にまで見た、ずっと願い続けた…



魔法のチョコレートが手に入りました!



拍手喝采!!!



「ありがとう、小鳩!!!」

部活が始まる少し前、小鳩に呼ばれて家庭科室へ行くとすでに用意してくれていた。

可愛くラッピングまでしてくれて、どこまでも器用で職人気質なんだ。

「何度も言いますけど、ただのチョコレートで何の効能もないですからね」

「大丈夫、いっぱいパワーもらってるから!」

「何のですか」

「がんばる勇気!」

ガッツポーズして見せた。

それだけで私にとって十分意味があるから。

私に足りなかったものを補おうとしてくれる、それだけで何よりも力発揮してるよ。

すぅっと深呼吸して、呼吸を整えた。

「じゃあ行ってくるね!」

このままの勢いで行きたいから、今ならきっと告える。

緊張はするけど、大丈夫。

一歩踏み出すって決めてたんだ。

このチョコレートと一緒に。

もらったチョコレートを大事に握りしめて家庭科室のドアを開けた。

「あの…っ」

「ん?まだ何かあった?」

足を止めて振り返り小鳩の方を見ると、小さくガッツポーズをしていた。

「…がんばってください」

ぎこちない小鳩の応援が心に響いて、絶対大丈夫だって思えた。

どんな結果でも、まずはちゃんと…

気持ちだけは伝えたい。

そう思って。

「ありがとう!」
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