悪役令嬢の姉に転生した枯れ専女子はイケおじにしか興味がない!〜あと三十年経ってから出直してきなッ!!!〜
その代わりに感情の起伏が少なくなってしまい、必要な分だけしか動かない表情筋。
笑顔に温度はなく、ついたあだ名は『人形令嬢ヴィクトリア』。

美しいピンクゴールドの髪とルビーのような瞳、そして美しい所作と隙のない性格も合間ってそう呼ばれるようになってしまった。
兎に角、頭は常に損得で動いて、無機質な笑みを常に浮かべているせいで、そう呼ばれてしまったのだろう。

そんなヴィクトリアに舞い込んだ縁談は国王が是非、ヴィクトリアに任せたいと紹介された第三王子ジェイコブ。
その時、ジェイコブは十歳、ヴィクトリアは十四歳だった。
婚約者といってもヴィクトリアから見れば妹のエルジーと同じで、可愛らしい小動物のような令息という印象しかなく、ジェイコブはヴィクトリアの圧に、ただただ怯えていた。

初めての顔合わせは、好印象とはいかなかったが、両親は将来、バリソワ公爵を継ぐヴィクトリアとジェイコブの婚約を喜んだ。
シュルベルツ国王も「ヴィクトリアならば安心してジェイコブを任せられる」と言った。
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