愛されることに 慣れていなくて
「降りて」

切れ長の目が私を捉えている。

「あっ、はい…」

「来て」

「あっ、はい…」

彼は私の前をスマートに歩いていく。
細身なのに肩幅があり、脚も長い。
身長153cmの私の視界には、ちょうど彼の背中がある。ということは、180cmくらいだろうか、いや、もっと高いな。などと想像しながら彼の後ろをついて行った。

駐車場にある自動ドアまで来ると、ICキーをかざした。扉を抜けエレベーター前までやって来ると再度ICキーをかざす。扉が開き、乗るように促された。

エレベーターはグングン上昇していく。途中耳が痛くなった。
扉が開くと今度は降りるように促されたので、また彼の後ろをついて行った。

通路の突き当たりには大きな玄関ドアが待ち構えている。そしてそのドアにもICキーをかざした。

「入って」

「あっ、はい…」

玄関のドアを支えながら私を誘導した。

「上がって」

「あっ、はい、お邪魔します…」

なんと広い玄関なのだろう。アパートの私の部屋より広いのではないのかと思う。

私は綺麗に並べられたスリッパを履き、部屋の奥へ進んだ。



「す、凄い…」

目の前にはランドマークタワーを望む横浜の夜景が広がっている。

「綺麗…」
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