愛されることに 慣れていなくて
本当に綺麗だ。ふと、私は何故こんなところにいるのだろうと我に返った。

部屋の中を見渡すと、黒を基調とした家具がセンスよく配置されている。

「あ、あのぉ… ここはモデルハウスですか?」

リビングのソファーに腰掛けている彼に、恐る恐る話しかけた。

「俺の部屋だ」

思わず「ヒェッ」と変な声を漏らしてしまい、慌てて手で口を覆った。この人は一体何者なのだろう…

彼は立ち上がり、夜景の広がる窓際までゆっくりと歩いていくと

「不満か?」

「え?」

何を言っているのか全くわからない。

「不満かと訊いている」

「あ、あのぉ…主旨が全くわからないんですが…」

「アパートから遠く、職場から近い。希望通りだと思ったのだが」

「え⁉︎」

「部屋を探していたんだろう?」

「そ、そうですけど…」

部屋の希望条件を知っているということは、あの不動産屋の関係者なのだろうか?社員?でも、社員がこんなところに住めるのかな?あっ、営業成績トップだったら住めるのかもしれない。
あれこれと想像を巡らせていると

「今、俺が怪しい奴だと考えていただろう」

悪戯っぽくニヤリとした。
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