愛されることに 慣れていなくて
「あのぅ、これ」

私は手にしていた絵を花さんに差し出した。

「まぁ……」

花さんはそっと手に取り、優しい眼差しで見つめている。

「なんて素敵な絵なんでしょう。あなた、ほら見て」

カウンター内にいる大将に見せた。

「こりゃあ凄い。菜々子ちゃん、ありがとう」

「菜々子ちゃん、本当にありがとう。私たちの宝物よ」

「喜んでもらえて嬉しいです」

「ほら、言ったろ、絶対喜ぶって」

二人で微笑んだ。

「さあ、さあ座ってちょうだい」

花さんに促されカウンター席に座る。

午後9時を過ぎた店内には、常連さんだろうか、数名のお客さん以外、私たちだけだった。そのお客さんも程なく店を出ていった。

「やっと落ち着いたわね」

「ああ、俺たちは恵まれているな。たくさんの人たちに祝ってもらえて」

大将が店内に飾られた花に目をやった。

「そうよね、本当に有難いわ」

「隼人くん、菜々子ちゃん、早水さん、今日は来てくれてありがとう」

「ありがとう」

花さんが大将につづいた。


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