愛されることに 慣れていなくて
「隼人くん、康介さんは、椿もあなたも愛しているのよ。不器用すぎてこんな事になってしまったけど。今日ここに来たのも、私たちに全てを話して欲しいってことだっのではないかしら。本当に不器用なんだから、まったくもう」


きっと、あの日の私への言動も、息子を愛するが故のことだったのだろう。

相手が警察沙汰になった男と同棲していた37の女ともなれば、騙されているのではないかと心配し、居た堪れなくなったのではないだろうか。


「俺は思うんだが」

それまで黙って聞いていた大将がおもむろに口を開いた。

「椿ちゃんが、隼人くんと菜々子ちゃんを引き合わせたんじゃないのだろうか。俺はそんな気がする」

「椿から、隼人くんへのプレゼントだったのかもしれないわね」

大将と花さんの優しい眼差しが、私たちを包み込んでくれているようだった。



それから隼人さんは、殆ど言葉を発することはなかった。
帰りの車の中も、マンションに帰り着いてからもずっと……



何か温かい飲み物を淹れようとソファーから立ちあがろうとした私の腕を掴み

「今日は菜々子の部屋にいていいか?傍にいていいか?」

すがるような眼差しで見つめる彼を、私は一晩中抱きしめていた。

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