愛されることに 慣れていなくて
私のベッドで眠る彼を残し、朝食の準備をしようと思ったけれど、私は彼から離れることができなかった。

彼の髪を撫で、額にそっとキスをした。

眠っていると思っていた彼が、目を瞑ったまま微笑んだ。

「隼人さん?」

彼がゆっくりと目を開ける。

「菜々子、ごめんな」

「どうして隼人さんが謝るんですか」

「情けない姿を見せてしまった」

「情けない姿?私はそんな姿は見ていませんが」

「菜々子」

「はい」

「もし、俺が、母と同じ病気になってしまったら君を守れない」

「私は、隼人さんの隣にいることさえできればそれでいいです。それに、医学は日々進歩しています。凄く頭の良い人が、必ず治療法を見つけてくれます。もし、お医者さんが、治せませんなんって言ったら、私がお医者さんの首根っこ掴んで、どうにかこうにかして治療法を見つけさせます」


「菜々子、怖い」

「えっ」

彼はプッと吹き出すと、今度は私の額にキスをしてくれた。


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