愛されることに 慣れていなくて
目の前には昨日履いたスリッパの横に見覚えのあるスリッパが……
これはアパートで使っていた私のスリッパではないか!
まさか、本当に荷物を運び入れたの?

履き慣れたスリッパに足を通し奥へ進む。
そして私の部屋だと言われていたドアの前までやった来た。再度呼吸を整え、ドアを押し開けた。

なんと……

ドアの奥には私の部屋が見事に再現されていた。私が住んでいたアパートの部屋よりも遥かに広いので空間ができてしまっているけれど、配置は完璧だ。

「なんなのこれ……」

私は慌てて下着の入ったチェストを開けた。引き出しの中もそのままになっている。きっと開けずに中身を入れたまま運んだのだろう。

そうだ、洗濯機はどこへいったのだろうか?

今度はランドリールームへ向かう。
備え付けのドラム式自動洗濯乾燥機が収納されているその横には、この部屋に似合わない洗濯機が存在を主張していた。
もちろん私の物だ。

そして、アイランドキッチンの横には私の食器棚と冷蔵庫がひっそりと置かれており、その中身の配置も完璧だった。

高級タワーマンションの最上階に、私の部屋がすっぽりと収められたこの状況に、私は言葉を失った。
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