愛されることに 慣れていなくて
彼は私の両腕を優しく掴み、少しだけ身体から離すと私の顔を見つめた。
美しい顔がすぐ目の前にある。切れ長の目は私の目を捉え、捉えられた私は、自由を奪われたかのように目を逸らすことができないでいた。

「日向菜々子」

「はい」

「俺とここで暮らさないか?」

「でも…」

「俺のことを知らないからか?だったらこれから知っていけばいい。知って一緒に暮らせない奴だと思えば、その時は出ていってもらって構わない。ただし、何も言わずに出て行くのだけはやめてくれ。それから言っておくが、俺は好きでもない女を抱きしめたりはしない。ましてや、一緒に暮らそうなんてことも言ったりしない。初めて会った男にこんな事を言われて信じろという方が無理なことはわかっている。それでも俺は、日向菜々子、君とここで暮らしたい」



「よ、よろしくお願いします」

真剣な眼差しの彼に向かい、自然と口から溢れ出た。
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