愛されることに 慣れていなくて
美味しいと言って食べてくれたことはとても嬉しかった。けれど、久しぶりだと呟いた表情が私の胸の奥をうずかせる。

美味しいものなんていくらでも食べているだろうに、こんな表情をさせているのは一体なんなのだろうか。
あくまで想像だけれど、御曹司というのは物質的に恵まれてはいても、愛情という面では案外恵まれていないのかもしれない。忙しいご両親とは食卓を囲むことも少なかったのではないのだろうか…

「あのぉ、これからも食事は私が作りますので、一緒に食べませんか?」

「……」

「あのぉ…」


「いいや、俺の分は作らなくていい」

しばらく考え込んでいた彼の返事はこれだった。
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