愛されることに 慣れていなくて
身支度をして家を出る。
「気をつけていってらっしゃいませ」
愛しい彼女の声が俺を送り出してくれた。
彼女の柔らかく少々おっとりとした喋り方は、俺の記憶の中にあるものと少しもかわっていない。
マンションのエントランスを抜けると、車で待機していた早水さんが後部座席のドアを開ける。
その表情は緩んでしまいそうな顔を必死に抑えている今朝の俺の表情と同じだ。
「早水さん、顔が緩んでいるよ」
「え⁉︎、そんなはずはございませんが!」
そう言いながら抑えるのをやめたのか、誰が見ても認識できるほどの緩んだ表情になっていた。
「早水さん、彼女の荷物ありがとう」
「いいえ、とんでもございません」
「それから、手配したホテル、キャンセルさせてしまって申し訳ない」
彼がクスッと笑った。
「ん?」
「キャンセルを聞いた時のスタッフの表情を想像したらつい」
「スタッフがどうかしたのか?」
「隼人さまの宿泊は、抜き打ちチェックだと思っていたのでしょうね。キャンセルの連絡を入れた時の彼の安堵した表情が手に取るようにわかりました」
「そうか、なら、本当にチェックしにいくか」
「そうですね、それが良いかと」
「気をつけていってらっしゃいませ」
愛しい彼女の声が俺を送り出してくれた。
彼女の柔らかく少々おっとりとした喋り方は、俺の記憶の中にあるものと少しもかわっていない。
マンションのエントランスを抜けると、車で待機していた早水さんが後部座席のドアを開ける。
その表情は緩んでしまいそうな顔を必死に抑えている今朝の俺の表情と同じだ。
「早水さん、顔が緩んでいるよ」
「え⁉︎、そんなはずはございませんが!」
そう言いながら抑えるのをやめたのか、誰が見ても認識できるほどの緩んだ表情になっていた。
「早水さん、彼女の荷物ありがとう」
「いいえ、とんでもございません」
「それから、手配したホテル、キャンセルさせてしまって申し訳ない」
彼がクスッと笑った。
「ん?」
「キャンセルを聞いた時のスタッフの表情を想像したらつい」
「スタッフがどうかしたのか?」
「隼人さまの宿泊は、抜き打ちチェックだと思っていたのでしょうね。キャンセルの連絡を入れた時の彼の安堵した表情が手に取るようにわかりました」
「そうか、なら、本当にチェックしにいくか」
「そうですね、それが良いかと」