愛されることに 慣れていなくて
ソファーの腰掛け部分をポンポンと手のひらで叩いている。
彼の隣に座れということか。困った。緊張して作業ができないではないか。
仕方ない。とりあえず、道具を持って来て彼の横に座ってみよう。

私は部屋から色紙とデッサン用の鉛筆を持って彼の横に腰掛けた。

「絵を描くのか?」

「はい、子供たちの似顔絵を描きます。私は、受け持った子供たちが卒園する時、似顔絵にメッセージを書いた色紙をプレゼントするんです。隙間時間にやらないと間に合わないので」

私は彼の横で作業を始めた。いつのまにか集中してしまい、彼が声をかけてくるまで彼の存在を忘れていた。
< 70 / 185 >

この作品をシェア

pagetop