愛されることに 慣れていなくて
「菜々子ちゃん、今日は隼人くんにたくさんご馳走してもらいなさい。大好きな菜々子ちゃんのためならいくらでも出すわよ、この子」

しまった。心を読まれている。

「いいえ、自分の分は自分で払います」

「菜々子、遠慮するな。俺が奢る。今日は俺のために時間を使わせてしまったからな」

「え?」

「絵を描いてくれた」

「あ、あぁ、それは、絵を描くのは好きなので、使わせてしまったとか思わないでください。使わされたなんて思っていませんから」

「どんな絵を描いたの?」

「俺の部屋から見える景色だよ。これ」

おもむろにパーカーのポケットからスマホを取り出し、花さんに見せた。

「まぁ!これは絵なの⁉︎写真じゃないの?」

「そうなんだよ、絵なんだよ、凄いよな」

「俺にも見せてくれよ」

カウンター越しにスマホを見せている。
スマホにまで収めてくれていたなんて嬉しい。

「これは凄いな。菜々子ちゃん、素晴らしいよ」

「ありがとうございます。こんなに褒められたの初めてです」

顔がほころぶ。
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