野良狼と野良少女


「…似合ってなかった?」


「死ぬほど可愛かったけど何」


「……え」





そうじゃねえだろとか、いい加減にしろよとか言われる覚悟だった私は拍子抜けする




死ぬほど可愛かったけど何




その言葉が脳内で無限リピートされて思考は停止。


残念ながら私の頭は真っ白になった。




「死ぬほど可愛いカッコして他の男に愛想振りまいてたのが気に入らないんだけど、異論は?」



「……な、い、です……」





正直、この人何言ってんだろうと思った。




怒ってる

それは、間違いないと思う。





「メイド服とか見たこと無かったんだけど」



「……えぇ、」




想像の斜め上すぎる角度で怒ってる



着ていたこと自体に怒っているというか、どちらかと言えば自分が見た事なかったものを先に他人に見られたことに怒っているような





それじゃあまるで……ヤキモチみたいじゃん





「羅奈」



「な、んでしょう…」



「はい、着替えてきて」





旺太はニッコリと笑って紙袋を手渡してくる。





この袋、知ってるよ

だってさっき……





「返さなかったの、もっかい着せるためだから」



「旺太…!?」



「早くして」



「はい、ごめんなさい」





怒ってる。

しっかり怒ってた。




私は紙袋を受け取って旺太の上から降りて脱衣所に直行する。




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