野良狼と野良少女


「……怒ってますか」


「しらね」





旺太は顔すらあげずにスマホをいじる。


私なんかまるで眼中になさそうなそぶりにズキズキと胸がいたんだ。





「怒ってるじゃん……ばか」





小さく呟いて逃げようと立ち上がりかけた時だった。



ぐいっ

「わっ」






長い腕に捕まり引っ張られ、力で敵う訳もなくソファに飛び込んだ。



もちろん旺太を下敷きに。






「…なに、」


「ゴメンナサイは?」




「……私が悪い?」





私が悪いに決まってるくせに、素直に認められずそう答える。




かわいげない、それも分かってる




「…まあ元凶は一葉だな」



「隠してたのは…ごめんだけど、一葉ちゃんも私がバイト無くなったの知ってて」



「そこはどうでもいいんだけど」





旺太が何に怒ってるのかもわかってる




でも正直メイド姿なんて忘れて欲しいし、口にすら出して欲しくない


もうすでに私の中では黒歴史として刻まれたんだ。




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