野良狼と野良少女
「着たの」
「……いや、あの着たけどまだ覚悟が」
ガチャ
「ちょっ…!?」
「何ドア押さえてんの、離せよ」
問答無用で扉を外から開けようとしてくる旺太。
もちろんまだ心の準備不足な私は必死に抵抗する。
…けどまあ、敵う訳もなく。
「わっ…」
「……へぇ」
扉を開けて、満足そうにニヤリと笑う旺太
その視線の先はもちろん私のこの服装で、穴が開きそうなほど見られてもはや埋めて欲しい。
今すぐ消えたい、記憶消して欲しい。
なんて姿を世にさらしてしまったんだと深く後悔した。
「はぁ…」
「……ごめん」
「なにが」
「その…こんなお見苦しいものを他の人に晒してしまいまして」
「バカなの?」
深いため息をついたのはどっちだ。
旺太が笑ってくれなければ私はどんな顔をしてくれればいいか分からないのに。
今すぐ脱ぎ捨てたいしもう一生着たくもない。
明日絶対返しに行ってやるんだから。