トゥインクル・ラバー!




何が。

そして誰がと聞かなくとも、彼は好きだったと言った。


その問いが伝わっていることが、何よりもの救いだった。


眉を下げて微笑んだ彼は、まるで何かを諦めているようで。

そこにわたしなんかが入る余地はないと言われている気がした。


想いを伝えて、そんな表情をさせてしまうのなら。…最初から伝えるべきではなかったとすら、思った。



「っ、わかりました!」



ねぇ、南斗くん。わたしも同じだったよ。

綺星くんに聞きたいことはいっぱいあるのに、これ以上彼に困った顔をさせたくないと思ってしまう。


本当はこれっぽっちも、納得なんてしていないのに。



「……ごめん、菜咲」



再度謝った彼に、心が音も無く崩れ落ちていく。

辛そうな声色だった。



「大丈夫です!わたしこそ急にごめんなさい。…びっくりしましたよね」



下手で不格好な笑顔だったと思う。無理に同意を求める自分が悲しく思えた。



「6人でいる時は、今まで通りの関係でいられるようにしますから!聞かせてくれて、ありがとう…ございました…っ!」



最後に閉じたトゥインクルルームの扉が

もう開けられない鉄のかたまりのように思えた。

< 156 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop