トゥインクル・ラバー!
☆埋まらずの溝
――…精いっぱい、強がった。
いろんな想いが芽生えた心の中で、最後に選んだのは物分かりの良い人間になることだった。
…綺星くんの辛そうな顔は見たくない一心で。
行動のトゥインクルとして、幾度となく彼にきらめく場所をもらっておきながら
彼が線を引いたら、黙って見ている。
一歩を自ら踏み出さないというのは、スターストーンから逃げ回っていたときと何も変わっていなかった。
このまま彼がいなくなるのを黙って見ているの。
彼の辛そうな顔を見たくないからと、何もしないでいるの。
――…“菜咲!”
綺星くんの笑顔が浮かぶ。そして、4人の笑顔も。
「あぁ、やっと見つけた。さがしたよ」
俯きながら教室へ向かうわたしを止めたのは
「葉月先輩…」
「あははっ、なにその目。俺のこと恨んでたりする?心外だなぁ」
――…綺星くんの正真正銘の兄である、葉月先輩だった。