トゥインクル・ラバー!
「天馬!一緒に写メ撮ってっ」
「天馬くん、うちのSNSフォローして?お願い!」
「えー?だから、気が向いたらねー」
「「あーん、いじわるー!」」
…なんかいる。
それもわたしの席に座ってる。
「あ、待ってたよ。園枝菜咲サン」
あの影響のトゥインクルである鈴井天馬くんが、わたしの席で頬杖ついて座ってるんですけど…!?
「ザ・普通」
上から下までじっくりのぞき込み、わたしを見定める視線とともにバッサリ吐き捨てられた一言。
サラサラのマッシュヘアはわずかな乱れも許さないと言うかのように、見事に揃っていた。
…ちょっと待って、鈴井くんって普段は明るくてむじゃきなキャラクターだと思ってたんだけど。
たとえば昨日、神村くんとやり取りしてた時だって、こんな感じじゃなかったような…。
「ちょっとボクについて来て」
「へ…?」
「早くしないと引きずって行くよ」
どう見てもわたしにはめちゃくちゃ冷たい対応。
鈴井くんに何かしてしまった記憶もない。
…それともわたしが気付かないだけで、迷惑かけちゃってたとか…!?
「ねぇ」
「は、はい!」
「最初に言っておく。ボク、きみのこと嫌い。トゥインクルメンバーとして認めないから」
早足の彼に急いでついて行き、辿り着いたのは昨日来た学園長室…のとなりの部屋。
ひとけの無い静かな場所で、彼はわたしに無表情のままそう言うと、その部屋の扉をゆっくりと開けたのだった。