この嘘に、ピリオドを
(馬鹿馬鹿しい……)

こんなにも苦しく、つまらないことは久しぶりだ。ジョンの元で働いていた時には、可愛らしい動物に囲まれ、個性的な仲間たちに囲まれ、憧れの人がいて、退屈を感じる暇がなかった。

それから、互いの両親たちしか話すことなく時間が過ぎていった。まだお見合いは始まったばかりだというのに、両親たちは今後のことを話している。

その間、心春は変わらず俯いたまま総司を見ることはなかった。もちろん話すこともない。

(ジョンさんともしもこんなお見合いをしたら、どんな話をしているのかしら……)

自由という言葉が似合う彼に、「お見合い」というどこか堅苦しいイベントは似合わないだろう。だがもしも目の前にいるのが彼だったら、そう想像するだけで心に色が生まれていく。

(きっと、ジョンさんは動物の話ばっかりしてくるだろうな……)

好きな動物はいるのかを訊ね、仮に「犬」と答えたらずっと犬の習性などを延々と話すに違いない。心春は思わず笑ってしまいそうになった。
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