この嘘に、ピリオドを
心春が振り返ると、そこには背の高いブラウンの柔らかそうな髪を持った男性がいた。瞳はこの島を取り囲んでいる海のように青く、細いのに程よく筋肉がついた体は彫刻のように美しい。心春の胸がトクンと音を立てていく。

「俺の分を二人にあげるよ。じゃないと、悪戯好きの二人が他の人のフルーツを強奪しに行く可能性が高いからな」

「ジョンさんがそう言うなら、あげますね」

切っていたネーブルを一つずつ渡すと、二匹は喜びながらどこかへ走って行った。その様子を心春が見守っていると、「心春」と声をかけられる。

「今日の朝ご飯、何?」

「フレンチトーストとサラダ、コンソメスープです」

朝ご飯のメニューを教えると、男性は「心春の作ってくれるフレンチトースト、おいしいから大好きなんだ!やった!」と子どものように無邪気にはしゃぐ。その様子を見ていると、心春の胸は温かくなり、顔はトマトのように赤くなっていった。

彼の名前はジョン・スタンフォード。動物学者である。心春は彼の元で助手の一人として働いている。
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