課長に恋するまで
「課長?」

 一瀬君と目が合う。
 睫毛が長くて、少し目尻の上がった大きな目が見上げていた。

 抱きしめたいと思うのはきっとアルコールのせいだ。

 シャンパンに酔ってるんだ。

「なんで黙ってるんですか?」

 一瀬君が眉尻を下げ、少し困ったような顔をする。

「少し酔ってね」
「大丈夫ですか?」

 心配するように一瀬君が近づいて、顔色を確認するように見つめてくる。
 
 そんなに見つめらては困る。
 触れたくなってしまう。
 
 追い詰められるような気持ちを吐き出すように、小さく息をついた。
< 201 / 247 >

この作品をシェア

pagetop