愛のかたち
「あんたさぁ、奥さんもらう資格ねぇんじゃねーの? 奥さんはあんたの所有物じゃねーだろ。前からすげぇ気になってたんだよ。奥さん嘲って楽しんでんのか? 聞いてたらイライラすんだよ!」

 彩華は野上の剣幕に圧倒されて動けなくなっていた。

「何だと!? 俺が自分の嫁をどう扱おうが、お前には関係ねーだろが」
「関係ねーから言うだけに留めてんだろ! 関係あったらとっくに殴ってるさ。あんたの言葉は、よくある謙遜じゃなくて、彼女を侮辱してるだけだ」

 彩華がおろおろしていると、カウンターから健太が出てきた。

「翔、お前が悪いよ。いい加減にしとけ」

 そう言って二人の間に入った。

「野上さん、すみません。こいつ、俺のガキん時からの連れで、悪い奴じゃないんです」
「ああ、いや……こっちこそすみません。健さんの店でこんなこと……」

 野上はそう返すと、倒れた椅子を静かに起こした。
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