愛のかたち
「私が自立した人間だったら、すぐにでも翔ちゃんに問い質して、家を出てたかもしれない。……でもそれが出来なかったの」

 顔を上げると、健太と視線が絡んだ。

「結局翔ちゃんが言った通り、私は何も出来ないんだよね。専業主婦ってそういうことなんだって身を持って知ったの。幸せな生活が崩れた時、身動きとれないんだよ。だって私、一円も稼いでないんだもん」
「翔は、それを望んでたのかもしれない」
「え?」
「彩ちゃんを絶対に手離したくなかったんだと思うよ」

 彩華は首を傾げて、次の言葉を待った。
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