孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
16時15分。
放課後になって、いったん荷物を取りに教室に戻ることにした。
あの子も、とっくに天沢と帰ってるだろうし……。
顔を合わせることもないだろうと、教室の扉を開ければ。
──え?
中にいた、天沢 雪と視線がぶつかって、固まる。
なんで……こいつがいるんだ。
あの子と一緒に帰ったんじゃ……。
相手も同じような顔をしていた。
ゆっくり立ち上がって、俺のそばに近づいてくる。
「あれっ本領くん〜。ねえ杏実は? 一緒じゃないの?」
「……え?」
「……え?」
天沢 雪。
幼い頃から名前を知っている男。
なのに17年間生きてきて……たった今、初めて喋った。