孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

相変わらずの能面に、淡々とした口調。

だけど心なしか、いつもより真剣な表情に見えたから、こちらもスッ…と姿勢を正す。



「単刀直入に申します。本領 墨との接触は今後一切お控えいただくようお願いいたします」

「あ……うん。そうだよね、派閥が違うもんね……」


「天沢家と本領家が大昔から敵対関係にあること、加藤様もご存知ですね」

「うんわかってる。心配しなくても、もう関わることはないよ。本領くんだって、Sol側の人間なんて嫌いだろし」


「いいえ」

「い、いいえ……?」


とは……?

首をかしげてみせる。


必要最低限の会話しかするなという、雪くんの言いつけを忠実に守ってるのはすごいけど……!

言葉が足りなさすぎて、何が言いたいのか、ときどきわかんないときがあるんだよね、中城くん。
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