甘く、溶ける、君に。
「……うん、そう」
「へぇ、そうなんだ」
言葉と同時に、千輝くんの腕が私に伸びてきて。
顔の近くにきて、触れられる、と思ったのになんの感触もなく、どこにもなんの感覚もなくて。
そらした視線を戻せば直前で動きが止まっているのが映る。
宙に浮くきみの指。
まるで、行き場を失っているかのよう。
「……さわんないの?」
「さわっていいの?」
「……だめ」
あぁ、私はばか。なにを自分から聞いてるの。
でもだって触れてほしくなってしまう。
止まんなくなる。戻れなくなるからだめだってわかってるのに。