甘く、溶ける、君に。
寂しいからと、すぐに身体を重ねた。
寂しいからと、田邊も含めていろんな人を利用した。
純粋な女の子たちも傷つけてきてる。自分を正当化して。
そんな私に、好きだとかそんな綺麗な感情持つ資格なんてなくて、私には不釣り合いな感情で。
「……そんなん、関係ないと思うけど。
それに、真っ当に生きてきてる奴なんてほとんどいねぇよ」
口にした田邊が手を止めて、こちらを見たのが視界の端に映った。
思わず私も田邊の方に目を向けると、見たことない、苦しそうな表情をしている彼がそこにいて。
そんな表情初めて見て、驚いてしまって、固まってしまう。
なんでそんな顔、してるの?
固まった私に田邊は容赦なく近づいて、彼の手のひらが私の頬に触れる。
苦しそうで、なんだか泣き出してしまいそうで。