甘く、溶ける、君に。
本当に、実家に帰ってるだけ? 変に胸騒ぎがする。
こんなことなら、学校に来てるかくらい確認すればよかった。
勝手に避けるように生活したの本当にばか。
こう、気になってしまったらもう仕方がない。
自分の部屋に帰る前に、様子を見るだけ。少し、隣の部屋の住人の様子を見るだけ。
自分に言い聞かせるようにして、インターホンを押した。
シンプルに郵便を溜めちゃって、今日も普通に学校に行って、まだ帰ってきていない可能性だってある。それならそれでいい。
インターホン、応答はない。
もう一度押す勇気はなくて、きっと今千輝くんは帰っていなくて実家か友達の家にいたりしてただそれだけだ。