甘く、溶ける、君に。



私はこのクラス、1番に登校して来てるの。いつも早く登校してくる瑛斗を、私の次、2番目に教室に到着する君を見ていたいからだよ。



そんな君が私の次に登校してくるのは窓からいつも見ているひとがいるから。

その時点で、私より先に来ることのない瑛斗に脈なんてあったもんじゃない。



私の席からも見える。窓の外。校舎に向かって歩いてくる二人。

今までは二人であったとしても、あの子の隣にいるのは彼氏じゃなかったのに、誰も勝てない肩書きを得たその人が隣にいるようになっちゃったよね。



< 354 / 372 >

この作品をシェア

pagetop