甘く、溶ける、君に。
キャー、と周りから黄色い声があがる。
他人事のように周りの声を聞きながらも、私も思わず息を止めてしまう。
すっと私の耳元に顔を近づけて、私だけに聞こえるように囁かれる。
「遥乃以外には、しないよ?」
余裕なんてまるでない私とは反対に、余裕そうに目を細める千輝くん。
千輝くんが相手だと調子が狂う。私が私じゃないみたい。
何を思って言ってるのかもわからないけれど、嘘じゃないことはわかるの。
こう言えば、軽い女の私は釣れると思っているのかも。面白がって、からかって。
思いっきり、無視して拒否できてしまえばいいのに。
できずに、溶けるばかりで。