甘く、溶ける、君に。


「ほら、遥乃が傘さしてくれないと俺濡れて帰んなきゃいけない」


「……う、ん」



なんで、私なの。



濡れて帰ればいいのに。


嫌なら他の女の子に傘貸してもらえばいいのに。


濡れて風邪ひいて、学校には来ないでよ。


私と関わろうとしないで。近づかないで。


また私、女子のいい噂のネタになっちゃうんだよ。



わかってないよね、千輝くんは。



だから、"遥乃"なんて昔みたいに呼ばないでよ。いつまでも昔の私と同じだなんて思わないで。




好きなんかじゃない、千輝くんなんて。




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